FF THE BUTZ 〜4人の友情崩壊〜


「よおし!みんなもう少しだぞ!」
今日もバッツ、レナ、クルル、ファリスの4人は石板探しをしています。クルルの活躍で第1の石板は見つかりました。しかし、第2の石板はどうしても見つけることができなかったのです。そんな中、はりきっているのはバッツだけ。他の3人は精も根も尽き果てた状態でした。その上、バッツの戦闘作戦は物理的な作戦ばかりなのでさらに3人の疲れは増していくばかりなのでした。
「バッツさん。私もう疲れました。休みましょう。」
「あともう少ししたらな。」
「ちょっとお!アイテムまだ使っちゃいけないの!」
「あともうちょっと待て!」
クルルとレナの不満もあと少しという言葉でかきけしました。
「・・・・・。」
ファリスはあちこちで数秒休みながら歩いています。
(みんな休みたがってるな。そんなに無理はさせてないと思うけどな。)
バッツはそう思いながらもあまり気にしていません。
毎日毎日こんな日が続くのでレナはついに怒りが爆発し、
「バッツったら、私達の事をちっとも考えていない。作戦もいいかげんなものばっかだし。」
宿屋で怒りを叫びました。クルルとファリスも同感でした。
「2人もそう思うでしょ。もうこんな毎日ウンザリ。明日から自分達が有利になれそうな作戦考えましょ。3人で。」
「ちょっとレナさん。それはちょっと・・・・。」
クルルは否定しました。しかしファリスは、
「いいんじゃないのか。少しはあいつにもいい薬になると思うが。」
どっちでもいい表情で言いました。
「あ、姉さんもそう思うでしょ。少しは私達の気持ちも考えろっての。じゃ今から私達で作戦タイムいくわよ。」
そして翌日、バッツが作戦を考えてきました。「じゃ今日の作戦発表いくぞ。今日の作戦は4人バラバラで自主的に戦う作戦だ。といっても変な戦い方するなよ。」
「はーい!」
「わかりました。」
「・・・・・・了解。」
3人は口々に返事しました。レナは、
(今日の作戦はなかなかいいじゃない。わざわざ作戦を考える必要もなかったわね。)
少しホッとしました。
しかし、結局、
「レナ!そんな戦い方じゃだめだっての!戦い方を変えろ!」
「クルル!もたもたせずにさっさと攻撃しろ!あ、ほれ見ろもたもたしてるから攻撃うけた。」
「おい、ファリスも見てないで戦えよ!」
バッツの命令がとびました。それにファリスだけ、
「お前が好きなようにやれと言ったんだ。俺はただその作戦にしたがってるだけだ。悪いか?」
と反論しました。が、バッツはもっと怒りました。
「だけど休んでもいいとは言ってないだろ!それくらい気づけよ!」
この日はまるでましな戦闘ができませんでした。
その夜、宿屋内にてレナは、
「もう頭きちゃう。自分の好きなようにしろって言われたから好きなようにしたのに、あれじゃ結局バッツのやり方にあわせてるんじゃない。」
「でもさすがに休むのはやりすぎなのでは?」
「クルル。あんたどっちの味方なの。」
「そ、それは・・・。」
「今日という今日は許さないわ。明日からあいつの作戦なんか無視よ!私達の作戦でいくわ!」
レナはそう言いながら1人で作戦を考えました。「なんかものすごいことになってきたね、クルル。」
モグもぶるぶる震えています。ファリスは、
「・・・・・・・・このままだともうじき最悪の結果になる可能性99%・・・・・・・・。」
とつぶやきました。
また翌日――
「えーと。今日は個人行動作戦でいくぞ!作戦内容はオレ達はもうそろそろ強くなったし単独行動でもちゃんと戦えると思うんだ。それに単独のほうがはかどると思うし。」
「は―い!」
「わかりました。」
「・・・・・了解。」
3人はそう言いながらも、
(いい。2人とも。あんな作戦は無視して3人で探しましょう。)
(でもやっぱりかわいそうですよ。)
(あいつなんかちょっとはかわいそうになればいいのよ。)
 クルルが反論しながらも3人はこっそり3人で行動をとりました。
「えーと。クルルちゃんが石板を見つけた場所はピラミッドって言ってたわね。」
「ええ。そうですけど・・・・。」
「私思ったんだけど石板はクリスタルみたいに神殿の中にあるんじゃないかしら。」
「なるほど。なかなかいい考えですね。レナさん。」
「ありがとモグ。だから、世界地図で神殿のような所を探してみたら石板へ近づく第一歩になるんじゃないかしら。」
「・・・・・・・。」
「反対意見なしってことで決まりね。さ、みんなで調べよう。」
レナ達は世界地図で調べ始めました。最初はおろおろ顔だったクルルもだんだん楽しそうに場所調べをしていました。ファリスもファーグルと場所探しをしていました。その様子を誰かがじっと見ていました。
「うーん。やっぱりこの海のあたりが手堅いわね。」
「この滝はいかがでしょうか。チョコボさんとここの滝の裏を見た時何かこの滝に秘密があるんじゃないかっておっしゃってましたし。」
「さすがはクルル。すごいクポー。」
「あ、そうだ。ここなどもいかがでしょうか。」
クルルは地図の真ん中の下の方を指さしました。そこにはビックブリッジがありました。
「ビックブリッジじゃない。こんな所に石板があるの?」
「いいえ。私が言ってるのはその中心部です。」
見ると、中心に神殿のようなものが描かれていました。
「ここも神殿なので石板があるんではないでしょうか。」
「うーん。そこ単なるビックブリッジでしょ。そんな所に石板はないと思うわよ。」
「そうですか。ここにならあると思ったんですけど。」
「じゃ、他の所を探してみせましょう。」
3人はわきあいあいと探し回っています。それは昨日よりもはかどっているようでした。
 しかし宿屋にて大変なことが起こることは誰も予想していなかったでしょう。
「さーて、だいぶデータが集まったわね。」
「この調子でいけば石板発見も近いモグ!」
「そうそう。」
「これでムキになるくせが直ればもっといいんモグけど。」
「なんですってモグ!またぶたれたいの!」
「ひゃあ!ごめんなさい!」
「わかればよろしい。ところでさ、あいつにもこのこと言ってみない?明日の作戦こういうのはどうかって。」
「バッツさんにですか?それはいいですね。言ってみましょう。きっとちゃんと言えばわかってくれます。」
「僕なんかイヤな予感がしますけど・・・。」
「とにかく言ってみましょう!」
3人はバッツの部屋に向かいました。
「バッツ―!いるー?」
レナが呼びかけるとバッツがトイレから姿を現しました。
「なんのようだー?」
「実は明日の作戦のことなんだけど・・・。」
レナが代表してバッツに昼にやった出来事を伝えました。バッツは当然怒りました。
「なに!じゃあおまえらはオレの作戦を無視したのかよ!」
「それは謝るわ。それでさ、あっちの方がはかどるからさ、こっちの作戦の方がいいと思うからこっちの作戦にしましょうよ。」
3人は謝りながらそう頼み込みました。しかし、バッツはとんでもない事を言いました。
「・・・そんなにオレの作戦はダメかよ。いやかよ。」
「そんな事言ってんじゃないわよ。ただあんたの作戦はいいけどやり方が少し強引だって言ってんの!」
「わかってください、バッツさん。」
「お願いよ。」
3人は強く頼み込みました。するとバッツはいきなり立ち上がり、
「けっきょくオレが悪者扱いじゃんかよ!もういい!おまえたちとは絶交だ!」
バッツは部屋を出ていきました。
「どうしましょう・・・。」
「何よあのわからずや!もう絶交なんてこっちからお願いするわ!」
「レナさん・・・。」
「行きましょ姉さん、クルルちゃん。」
「本当に恐れていた事態が起こってしまったクポ。」
「・・・とうとう友情崩壊が起こってしまったか・・・・・・・。」
 こうして光の戦士の友情は音を立ててくずれさってしまいました。果たしてこのままみんなバラバラになってしまうのでしょうか?


☆キャラ紹介☆
モグ
いつもクルルと一緒のクルルのペットのモーグリ。移動はほとんどクルルの手持ち。おしゃべりでかなりの毒舌家。

<あとがき>
自分でもうまく書けるか心配でしたけどなんとかうまく書けました。一度こういう作品書いてみたかったんです。続きもよろしくお願いします。







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