結婚式
エクスデスを倒して、おれたちは皆バラバラになった。
クルルはバル城の皇女となり。
レナはタイクーンの姫君
バッツは・・いまも、きっと・・・そこらじゅうを旅しているんだろうな・・・
おれは・・・・
「サリサ様」
おれを呼ぶ声がする。
おれの名前はサリサ・・・いや、違う名前だった・・・
タイク―ンに戻ってきたおれは姫をやっている。
・・・・・ガラじゃねぇけどな・・・
いつも、そう思ってしまう。
一人だけの大きな部屋・・・うまい飯・・・
贅沢な暮らしがあって・・・・おれは・・・幸せだった。
・・・・ちがう・・・・こんなのは・・・・・
「サリサ様」
また、呼ばれるうその名前・・・・
「・・・・なんだ。」
いつも、ぶっきらぼうに答えてしまう。
「バッツ殿が見られております。」
「え!?」
おれは、跳ね起きた。
「バッツ殿がお話をしたいと申しております。どうなさいますか?」
「・・・・あ・・わかった。・・・・通せ。」
「・・・・かしこまりました。」
その声が終わると、また、廊下を歩く音がする。
「・・・・バッツ・・・・」
それから、すこしして、おれの部屋をノックする音がした。
「・・・・はいれ。」
また、短く言葉を継ぐ。
「・・・・失礼します。」
ガチャ
ドアが開いた。
ゆっくりと、その人物を確認する。
クセッケの茶色の髪
深みのある青
どことなく、はにかんでいる顔・・・
昔と、どこも変わらないのが、うれしく思った。
「・・・・久しぶりだな。元気だったか?」
「・・・・・お前こそ、」
バッツが笑った。
バッツにつられておれも笑う。
こんなに、心の中から、笑うのは久しぶりだ・・・・。
おれはふと思った。
「・・・・・ファリス?」
「・・・・あ、なんだ?」
・・・・ファリス・・・そうか、まだ呼んでくれる奴はいたんだ・・・・
・・・・ファリス・・・頭がつけてくれた、おれの本当の名前・・・
いや・・・・ファリスがうそのなか・・・サリサが本当で・・・
「・・・・・・なんだ? あんまり、うれしくないのか?
せっかく俺がきてやったのに・・」
「・・・・なんか、恩着せがましいな。」
「・・・・あはははは。」
「なぁ。バッツ、どれくらい・・・いるんだ?」
「・・・・ああ、今日にはもう、帰るよ。」
「・・・え? まだ、いいじゃんか・・・泊まってけよ。」
「・・・・・本当はそうしたいんだけどな・・・」
「・・・・・・?」
「そうだ。おもしろい話を聞かせてやるよ。」
「・・・・ああ。なんだ? 今度はどこいってたんだよ。」
「・・・・・ああ、あのな・・・・・」
それから数時間後・・・・・
俺の話を聞いている途中でファリスは寝てしまった。
「・・・・・ファリス?」
「・・・すー。すー。」
「・・・ハァ・・・寝ちまったのか・・・・」
ファリスの部屋に入る前に大臣に言われた事
「・・・・・バッツ殿、あなた様のご身分はわかっていますね・・・・」
短い言葉だったけど・・・・俺はその、意味がすぐわかった。
・・・・・ファリスは姫・・・
・・・・俺は・・・ただの旅人
分かっている、俺はファリスを好きになってはいけない・・・
わかった時には遅かった。
「・・・・・ファリス。」
・・・好きなんだ・・
・・・ファリスが・・
・・・このまま、お前を連れて逃げてしまおうか・・・・
・・・ファリス・・ファリス・・・・
俺の心の声も届くこともなく、ファリスは寝息を立てている。
トントンッ
小さく戸を叩く音がした。
「・・・・・はい?」
「・・・・・バッツ殿、お時間です。」
「・・・・・はい・・・わかりました。」
俺は軽く身の回りを整えた。
・・・・ファリス・・・もう一度だけ・・・もう一度だけ・・
俺を見てくれ・・・・ファリス・・・
・・・・・さようなら・・・・・
パタンッ
・・・・・・・・・・・・・
それから、どれくらいの時間がたっただろうか・・・・?
「・・・・・・ん?」
おれが目を覚ますと、さっきまでいたはずのバッツの姿がなかった。
「・・・・・バッツ? おい、バッツ・・・・」
そこに・・・・・
「・・・・・ねえさん?」
「レナ・・・」
おれの妹であり、タイクーンの皇女でもある少女
「・・・・・おい・・・レナ・・バッツは? あいつはどこいったんだよ・・・?」
レナがおれから、目を逸らした。
「・・・・・バッツは・・・もう、ここへは・・・・こないわ・・・」
「・・・・な、なにいってんだよ・・・バッツはどこにいるんだよ!」
「バッツはもう、ここへはこないの!」
「なんで!」
「・・・・・ねえさん・・・わかっているんでしょ・・」
「・・・・・な、なにを・・・・」
「・・・・ねえさん。あなたは姫なのよ? 一般の者との関係は・・・・」
「・・・・おれは・・・ただ、バッツと・・・はなしを・・・・」
「・・・・・本当に? 本当に話だけ?」
「・・・・」
言葉が続かない。
「・・・・・バッツは、彼はそれをわかって最後にねえさんに会いに来たの・・」
「・・・・そ、そんな・・・・」
おれはヘタッと腰を落とした。
「・・・・・ねえさん。あきらめて・・・おねがい・・・・」
レナはそう、言い残すと部屋から出て行った。
「・・・・・・っつ・・・ば・・っ・・・バッツ・・・畜生・・・・」
なんともいえない叫びがおれの心を支配していく。
「ねえさん・・・・ごめんなさい・・・・・」
レナの心も、悲しみで渦を巻いた。
・・・・・・・・・・・・・・
あれから、どれくらいの時が経ったか・・・・
唯一の楽しみをなくしたおれは心のない生活を送った。
「サリサ様」
大臣が入って来た。
「・・・・・・」
なにも答えずに・・・ただ、ぼーっと大臣の顔を見る。
「サリサ様に縁談のお話が来ております。」
「・・・・・そう。」
もう、なにを言っているのかすら・・わからない・・おれの心は氷と化してしまっ
た。
「・・・しかも、バーロック王国の王子ですぞ。
この縁談に成功すれば・・・」
・・・・この、国は平和が続く・・・と、でも、言いたそうだな。
「・・・どうです? お受けになりますか? あってみるだけでも・・・」
「・・・・・・ああ」
・・・・もう、楽しみもない時を永遠に過ごすなら、この国のためになっても良いよ
な・・
「・・・・では、また、後ほど」
大臣はそう言って出て行った。
それから、お見合いをして、向こう側はオッケーを持ってきた。
・・・まぁ、猫をかぶっていたんだ・・・これくらい・・・あたりまえだよな。
そうして、もう、明日は結婚式を迎える。
・・・・・本当によかったのか・・・・・
・・・まぁ、いいか。べつに・・・・
・・・・そうか・・・もう、子分たちとも会えなくなるのか・・・
ガチャ
ドレスアップを終わったおれの前に、おれの婿になる男が現れた。
「・・・・綺麗だよ。サリサ」
・・・お決まりのセリフ・・・ヘドが出る。
「・・・・ありがとう。あなたも、すてきよ。」
・・・・こんなことを言い合ってどうするんだか・・・
「・・・あの、」
おれはふと言葉を誤った。
「・・・なんだい?」
「・・・・もし、私が・・・時々でも、お城をぬけても・・良いかしら?」
「・・・城をぬける? なにいっているんだ。きみは僕の妃になるんだ。
頼むから僕を顔に泥を塗るような真似はよしてくれ。」
「・・・・はい。すみません・・・・」
「・・・・じゃあ、僕は式場で待ってるから・・・」
男はそう言って部屋を出て行く。
・・・・顔に・・泥を塗る・・?
・・・・まぁ、自分の嫁があちらこちらに出入りしているなんて聞いたら、
だれでもそういうか・・・・・
・・・バッツなら・・あいつなら、なんていうだろう・・・
きっと、笑って「ファリスの好きなようにしなよ。」って、いってくれるんじゃ・・
・
・・・・・何考えてる・・もう、バッツには会えないんだよ。
・・・・・・もう、こないんだよ。
その時自然と涙が溢れてきた。
・・・・どうして、もっとよく考えなかったんだろう・・・・
・・・・バッツ・・・・
・・・・このまま、逃げてしまおうか・・・
・・・・バッツなら、きっと助けてくれる・・・・
・・・だめだ。そんな事をしたら・・・この国はおかしくなるだろう・・・・
・・・なんで、王家なんかに生まれてきたんだよ・・・・
・・・くっ・・・・
逃げる事も、中断することもできずに、運命の時間がきた。
「サリサ様 お時間です。」
「・・・・・・ああ・・・」
・・・・・もう、覚悟を決めよう。
・・・・・おれが、よくも考えずに出したから、悪いんだよ。
・・・・・自業自得さ・・・バカだな・・・おれって、本当・・・
おれは涙を拭って、歩き出した。
教会の扉が開く
そして、約束の言葉・・・・・
「・・・・・汝は・・・・」
(↑よくしらないです。)
「・・・・誓います。」
男は短く言った。
「・・・・汝は・・・」
同じセリフ今度はおれが言う番だ。
・・・いいのか・・・
・・・本当にこれで・・・
・・・いまなら・・いまなら・・・間に合うかもしれない・・・
・・・このまま逃げ出してしまえ・・・
何度も逃げ出したいと心の中で思う。
周りがざわめき始めた。
おれが、答えないからだろう。
・・・・もう、いいよ。どうなっても・・・・
・・・・もう、バッツにも会えないんだ。
・・・・子分たちにも・・・・
「・・・・ちかっ・・・・」
おれが言葉を発せた時
「・・・・ちょっと待った!」
「はぁ!?」
周りが再びざわめく
「なんだ・・・今の声は・・・」
おれの隣の男も驚いていた。
「・・・いまのこえ・・・・」
もしかして・・・
いきなりおれの体が宙に浮いた。
「うわぁ!」
おれは神父しお姫様抱っこされている。
「なんだ! おまえは!」
男が怒鳴る。
「・・・・俺か? それは・・・・うーんと・・・」
しばし考え中・・・・
「俺は、神父だ!」
「みりゃ、わかるっの!」
おれが神父に突っ込んだ。
「・・・お姫様。言葉を慎んだら?」
神父が言った。
「・・・う・・・」
「・・なんでもいい! その、神父を捕まえろー!」
周りの兵士たちが一誠に飛び掛ってきた。
「うわぁ!」
「・・・・やっぱり・・くるの? ハァ。お姫様しっかりつかまっててね。」
「え?」
その神父はいきなり飛び上がりまわりの兵士を簡単に避けていく。
おれの頭の中で喜びが浮かんだ。
・・・もしかして・・・・
この、軽々しい身のこなし
この、力強い手・・・・
そして、帽子の下から見える・・・茶色い髪・・・・
そして、いとも簡単に教会の外の出口まできた神父はおもむろに帽子を取る。
「・・・・!?」
おれの考えがすべて目の当たりになる。
「・・・・では、レナ様 約束どおりに姫君をもらっていきます。」
「・・・・え? えっ?」
「はい。どうぞご自由に」
レナがこちらに手を振る。
「まてー!」
また、大勢の兵士が来た。
今度は手に武器を持っている。
「・・・やばいな・・・さすがに武器をもたれると・・・よし! にげるぞ!」
神父・・・いや、バッツはそのまま走り出した。
・・・・・・・・・
数分後・・・・
大分城から離れて兵士の声も聞こえなくなった。
バッツはようやくおれを下ろした。
久しぶりに見た大地はとても、心地よかった。
「・・・久しぶりだな。姫」
「・・・な、・・・・どうし・・・て・・?」
「ん? 迎えに着たんだよ。ファリスを」
「・・・・だって・・・もう、こないって・・・」
「・・・・レナのおかげさ。」
バッツも地面に座った。
「・・・・・レナが・・・?」
「・・・もっと、こっちおいでよ。」
「・・・・」
おれはとりあえずバッツのそばによる。
ふいにバッツが抱きしめてきた。
「ええっ!?」
「・・・・・ファリス・・・会いたかった・・・・」
「・・・・・」
「・・・・レナがね。教えてくれた。お前が結婚するってこと」
「・・・・・」
「・・・・・それでな。
もし、ファリスを助け出す事ができたら・・・そのまま、さらっていっていいって」
「・・・・・レナ・・・・」
また、おれの目に涙が溢れてきた。
「・・・・・レナはね。お前の事を考えて許してくれたんだよ。」
「・・・・」
「・・・・ファリス。絶対に悲しませないから・・・」
バッツはそう言うとおれの右手の薬指にはめられている指輪を取る。
「・・・バッツ・・・」
「・・・・ファリスはこれ。」
バッツはそうすると今度は自分の胸ポケットから、指輪のケースを取り出した。
中には二つのお揃いのペアリングが入っている。
「・・・バッツ・・・おまえ・・・」
「・・・ファリス。結婚しょう。」
「・・・・バッツ・・・」
おれの左手を包んでいるバッツの手におれの涙の雫が流れた。
しばらくして・・・・
「・・・ファリス。永遠の愛を誓いますか?」
バッツはそう言っておれの左手の薬指にその、指輪をはめる。
「・・・・・はい。誓います。」
おれは笑いながら、バッツにチュッとキスをした。
「・・・ほらね。やっぱりファリスはこの方がいいよ。」
バッツは笑った。
おれもつられて笑ってしまう。
なんで、こいつはこんなに・・・人を優しくする力があるんだろう・・
「・・・・・・・ファリス。」
「・・・・ん? なに・・・?」
「・・・・ファリスはファリスのままでいいからな。」
「・・・・え?」
「・・・だから・・・その・・・あんまり、無理するなって言う事。」
「・・・・」
「ファリスは俺が守ってやるから・・・な。」
「・・・・・・うん。」
絶対いままでのおれなら言わなかっただろう・・・
バッツに会えて本当に良かった。
バッツに会えたからこそおれは変われたんだろうな。
この気持ち・・・・ずっと、大切にするからね・・・・
「・・・・そうだ。」
「・・・・どうした?」
「やっぱり始めはリックスでしょう。」
「・・・・・」
「・・・・・やっぱり、ハネムーンは・・・どっかいく?」
「・・・・・・いいよ。リックスで・・・・・」
「・・・・そう?」
・・・・・お前と一緒にいられるならな・・・・・
END
あとがき?
めちゃくちゃな文章でごめんなさい。
とっても、難しかったです。
ファリスのキャラ後半変わってるし・・・・
誓いの言葉の神父の所わからいかったし・・・
よく、人様に見せれるなーって、くらいおかしいです。
あー。どうしょう。初めて送ったのが・・
こんなのでは皆様にあきれられてしまいそう・・・う〜む・・
・・・・こんな文章を最後まで、読んでくださった方は本当にありがとうございまし
た。(感謝)
あと、誤字脱字が見つかったら・・・こっそり教えてくださいね。
よろしくお願いします。
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