これから・・・




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今は深い深い霧の中にいるようで、周り一面真っ白で何も見えない
だからといって、その場所に立ちつくす事だけはしたくなくて
思い切って踏み出そうとして、ふと気付く
・・・どの方向へ向かったらいいんだろう・・・
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ここはタイクーン城
ファリスは飛竜のいた塔の上から、再び生気を取り戻した世界を見渡していた
風が心地いい

そばにはバッツがいた
ファリスがここまで連れてきたのだ
すこし、気晴らしに付き合ってくれと

世界は再生しはじめている、感じるたびに嬉しい
自分たちは大切なこの世界を救ったのだと、実感できる瞬間

しかし戻らないものもあった
たくさんの大切な・・・ シルドラも、ガラフも・・・そしてレナも・・・


「クルルは、これから大変だな・・・」
ファリスは空を見上げながら話しかけた
他人事のように言うファリスを見て、バッツは胸が苦しくなる
自分と重ねないようにと、彼女は意識しているのだろう

「そのうちガラフの跡を継がなきゃって言ってたし、大変だろうな」
それならばと、バッツも他人事のような口調で言った
ガラフのいなくなった今、彼女は城を、国を、建て直さなければならない
たくさんの人の助けがあるとはいえ、まだ一国を預かるには幼いだろう

「バッツは・・・これからどうするんだ?」
聞くまでもないだろう?っとバッツは苦笑する
「今までどおり、旅を続けるさ。それが一番性に合ってるからな」
バッツは瞳を閉じて風を感じた
そして大きく深呼吸をすると再び瞳を開ける
「それと・・・結局さ、オレもオヤジの跡継ぎだ」
バッツはさきほどとは違い真顔で呟いた
「え?」
ファリスは驚いたような顔でバッツの方を向く
「オレもまさかオヤジと同じことするとは思わなかったよ。クリスタルの見回りなんてさ」
「・・・そっか」

ファリスはまた、元通りに外側を向いた
そして一歩二歩と足をすすめる
まるで今にも風にさらわれそうで、バッツは慌てて声をかけた
「あんまりそっちに行くなよ!落ちるぞ!」
その声に合わせるかのようにファリスのあゆみがとまる
振り返ったその顔は意地悪そうに微笑んでいた
「大丈夫だよ・・・心配してくれるのか?」
「当たり前だ!危ないだろ!?」
クスッとファリスが笑う
「・・・オマエじゃ怖くて、ここまで来れないだろう?」
「・・・もう慣れたよ・・・さすがに」
でも自分から好んでは行かないぞ、と心の中で呟く
「そうだよな・・・結構、空の移動も多かったし・・・バリアの塔なんて飛び降りたもんなぁ」
「やめてくれ・・・思い出すといまだに寒気がするんだよ。我ながら無理したよなぁ・・・」

あの時は必死だった、最前の方法をとったつもりだ

「でもさ、あの時オマエを見直したんだぜ?オレもレナ・・・も・・・」
ファリスの声が段々と小さくなる。そして独り言のように
「もう・・・この話をできるのってバッツしかいないんだな・・・」
泣くのを必死にこらえている、そんな感じだった

バッツもかけられる台詞が見あたらず、ただ見つめていた


彼はこの世界を救う旅が終わったら、彼女に伝えようと思っていた事があった
もちろん、こんな結末でなければ・・・
いろいろと考えていた、あのころが懐かしい


「・・・ファリスは・・・これからどうするんだ?」
ためらいがちに聞く
自分からは何も語ろうとはしないファリスに

聞いてはいけないことだったのかも知れないし最初から聞いて欲しかったのかも知れない

「これから・・・か・・・」
呟いたファリスの口元がふっとゆるむ
「うん、今決めた」
「今!?」
「オレは・・・レナを待つことにする!あいつが帰ってくるまで、オレがこの城を・・・帰ってくる場所を守っていきたい」
そしてちょっとふざけた口調で
「それと・・・結局さ、オレもオヤジの跡継ぎだ・・・。なーんて、バッツの真似♪」
「おまえなぁ・・・」

そのあと、再び空を見上げたファリスは真剣な表情だった
その決意を秘めた瞳に、バッツはあっけにとられた
どうしてこんなに気丈でいられるんだろう
今回の旅で一番傷ついたのは彼女のハズなのに、一番力強く見える
もちろん無理をしているのは目に見えているけれど、それでも・・・
バッツにはもう、何も言えなかった
ただ一言
「頑張れよ」
本心からではないけれど、自分の迷いを吹っ切るように
そして、彼女の幸せを願うように


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真っ白な世界は透明感を増し、少しだけ前が見えるようになる
しかし見渡すと、そこは入り組んだ迷路
どんなに慎重に歩いても、がむしゃらに走っても出口にはたどり着けない
探し疲れて立ち止まると、一気に不安が押し寄せてくる
本当は出口なんてないのではなかろうか、このままずっと独りぼっちで探すのか・・・
そんな時、壁にポッカリとあいた抜け穴が見えてくる
ここからなら外に出られるだろう ・・・でも出口ではないのだ・・・
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「ファリス!?おまえどうしてこんな所に!?」
「久し振りの第一声がそれかよ、別におかしくないだろ?」
確かにおかしくはない ここは海賊のアジトなのだから

バッツはなんとなくタイクーン城を避けていた
ファリスがどうしているのか気になりながらも、何故か会うのがためらわれた

「ん?あー・・・大丈夫だって。今回はちゃーんと城のみんなに言って来たから」
ファリスは何気ない顔でそう言う
バッツは苦笑した
【今回は】と言うからには何度も無許可でここに来ているという事だろう
それでも前と変わらないんだなと、バッツは内心ほっとする
「もっとも、返事は聞かずに出て来ちゃったけどな♪」
「おい・・・」
「それよりもさ♪オマエ、ボコとココの子ども見に来たんだろう?早く行ってやれよ、かわいいぞ」
「えっ!もう産まれちゃったのか!?」
バッツは驚くと奥へ向かって走っていく
ファリスはそんなバッツを、後ろからやれやれといった表情でゆっくりと追いかけた
「なんだか・・・くすぐったいな・・・」

その夜、バッツはボコ共々海賊のアジトに泊まることになった
相変わらずの宴会が行われている そんななか、バッツは旅の報告を始めた
世界が今どうなっているのか、ファリスは耳を傾けた
時には相づちを打ち、時には笑って
そして時々何かを考えるように



波の音がいつもより大きい気がしたのは久し振りだからだろうか
皆が寝静まった後、ファリスはぼんやりと岩場に腰掛けていた
眠れなかったせいもある・・・それと・・・なんだか勿体なかったから
本当はこんな風にここで一人になるのはやめようと思ってた
辛いことばかり思い出してしまうから だけど・・・
「ファリス・・・やっぱりここにいたのか」
ドキリとする声
「バッツ・・・」

約束をしたわけではないけれど、ここにいれば彼が来てくれるような・・・そんな気がしていた

「隣り、座っていいか?」
コクリとファリスはうなずく
「あのさ・・・ファリス・・・」
バッツの言葉はここで止まってしまった

沈黙

言いたいことはある しかし何から話したらいいのかわからなかった
そして、どう切り出すかも

     以前の事を、ふと思いだした
     ここで、ファリスは泣いていた
     『もうこれ以上大切なモノを失いたくない』と
     その時バッツは『何も失わせない』と彼女に約束した
     自信はなかったけれど、彼女の大切なものを何があっても一緒に守っていくつもりだった
     それは、今となっては果たされなかった約束・・・

波の音しか聞こえない
そんな沈黙を破ったのはファリスだった
「なんだかテレるな。その名前で呼ばれるとさ」
バッツはふと、我に返る
「・・・『その名前』って『ファリス』?なんだよそれ、自分の名前だろ?」
「うん・・・確かにそうなんだけどな」
「『サリサ』だったらわかるけどな。どうしたんだよ急に」
バッツは不思議そうにファリスの顔を覗き込んだ
「サリサって名前はさ、逆にもう馴染んじゃったんだ。毎日呼ばれてるし・・・
まぁオレが悪さするから余計呼ばれるんだけど」
「? 悪さ?」
「えっと・・・うーん、まぁほら、オレって公式な場とか苦手だし・・・書類とかもよくわかんねぇし・・・」
ファリスはポリポリと頭をかいて照れ笑いをした
「大変だろうからな」
「そんなことない、とは言えないなぁ・・・まぁ・・・いろいろと、ね」
バッツにも、失礼ながらファリスが上手くやれるとは思っていなかった
無理をしてるんだろうな、などと毎日のように心配していたのだ

「つまりさ、城ではサリサだしココに来れば殆どのヤツがおかしらって呼ぶし・・・
久し振りでちょっと照れただけ」
『あとは・・・おまえの声だから余計に・・・』それは心の中でこっそりと
「なるほどね、そういうことか」

ファリスは考え込むような表情になった
「・・・なんだか、おかしいだろ?呼ばれ慣れた自分の名前が呼ばれないなんてさ。
所詮、必要なのはオレ自身じゃないようで・・・」
「・・・ファリス?」
心配して声をかけるが、その声は届いていないようだった

「ここに来るのだって、みんなのことが心配だからとかそんなこと言ってるけど・・・
本当は・・・逃げてきてるんだ・・・。耐えられなくてココに逃げてきてるんだよ・・・。
ココならみんな俺自身を好きだって言ってくれる、必要としてくれてる・・・。
城は自分の家のハズなのに何故か辛くて・・・」

「・・・きっと家族がいないから・・・ガキの頃と変わらない風景なのに
あの頃にはいた家族が誰もいないから・・・どんなに城の人に優しくされても、所詮は独りだなんて
可愛くないことばかり考えて・・・」

「王族でなければオレなんか要らないわけだろ?卑しい海賊の頭なんて
近寄りたくもないとか思うんじゃないかな・・・。他に誰もいないからオレのことを必要としてるけど
本当はオレなんかよりレナが帰ってきた方が嬉しいに決まってる・・・。
どうしてレナを守れなかったのかなんてきっと恨まれて・・・オレなんてどうせ・・・」

「やめろファリス!」

バッツは発作的にファリスを抱きしめた
いとおしくて、いとおしくて仕方がない彼女を

「もう・・・何も喋るな・・・」
このままにしておけばどうにかなってしまうのではないかと、バッツはそう思った

驚いたファリスはしばらくのあいだ目を見開いていて、それからゆっくりと閉じた
ファリスはそのぬくもりに徐々に体をあずけていく
それと同時に哀しみや寂しさ、そういった感情をせき止めていた何かがすぅっと消えていくようだった

じわりと目が潤んだかと思うと、声をあげて泣き出した
本当はもう、とっくに限界を超えていたに違いない




ファリスが少し落ち着くと、バッツは声をかけた
「ファリス・・・おまえ、俺と一緒に来いよ」
泣きそうな声
「え・・・」
ファリスは少し考えて意味を理解する

「・・・そんなこと・・・できるわけないだろう?オレがいなくなったら大変だ」
ファリスはぐずりながらも笑顔を向けようとする

「無理しすぎなんだよ・・・そんなに肩書きが大事か?自分を殺してまで生きるなんて辛いだろう?」
「! そんなことない・・・オレは自分の意志でこうしている・・・。
ちゃんと頑張って・・・父さんもレナも、国のみんなも安心できるように・・・」
ファリスは声を絞り出すように言う
「・・・一緒に行こう。絶対に辛い思いはさせないから・・・」
バッツはファリスの顔に手をあてて親指で涙を拭った ファリスは無言で首を振る

バッツの瞳が潤む
「だって・・・このままじゃ壊れちまう」

抱く腕に更に力を込めた
勢い余って、手の加減ができない

「バッツ・・・痛いよ・・・」
それでも力は抜けず、彼の腕の中に抵抗もせずにそのままでいた
「オレなら大丈夫、今はちょっと疲れてるだけ・・・明日になれば元気になれるから・・・」
まるで自分自身にも言い聞かせるように


しばらくして、少しだけ腕が緩んだ
「ファリスは・・・優しすぎるんだよ・・・」
ファリスの髪に片手を滑らす

「・・・・・・違うよ。愚かなだけだ・・・」
ファリスはバッツから表情が見えないように、胸に顔をうずめた

「本当は・・・わかってるんだ、オレには無理だって・・・でも、オレには他に頑張れることがないんだ。
頑張っていないと・・・嫌なことばかり想い出してしまう」

そしてしばらく間をあけてつぶやく
「バッツもクルルもちゃんとやってるのに・・・どうしてオレだけできないのかな・・・」

髪を撫でていた手が止まる
「・・・俺達と、おまえとの違いを教えてやろうか?」
そういうとファリスの顔を上にあげ、うるんだ瞳と目を合わせた

「おまえはオヤジさんの仕事を知らないだろう?俺もクルルも、そばにいて肌で感じてきた。
だからわかるんだよ、どうすればいいか。・・・だけどおまえは父親の仕事を知らない。
そんなヤツに父親と同じ事なんて、できるハズがないんだよ」
バッツは少しキツイ口調だった

ファリスの目から、再びナミダがこぼれ落ちる
「そんなの・・・どうしようもないじゃないか・・・オレは一体どうすればいいんだよ?・・・」

バッツの胸に顔を埋めたファリスは再び泣きじゃくった


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もうこんな状態には耐えられなかった
誘惑に負け、この抜け穴から外に出ようと心に決める
そんな矢先、自分の目の前を横から一筋の光が射し込み、追い越していった
これは出口を示す希望の光ではないか?
この光をくれた人を信じて、後を辿っていく・・・
必死になってたどり着いた所にはたくさんの扉
どの扉かを選ぶのは自分自身
その先は苦か楽かはわからないけれど
勇気を出して扉を開けよう
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目が覚めると、ファリスは自分のベッドの上にいた
眠い目をこすりながらゆっくりと起きあがる
「オレ・・・どうしたんだっけ・・・」
昨夜の事を思いだし、赤面する
「さすがに・・・夢だった・・・ってワケにはいかないよなぁ」

そういえばバッツはどうしたんだろう、そう思い立ち上がった
ボサボサの髪を手グシで直しながら歩いていく
目は腫れてないかな・・・

入り口付近にいる見張りに声をかけた
「おはよう」
今日の寝ずの番は若干15歳の新入りだったらしい
「お頭!おはようございまっす!」
徹夜明けなのに元気がいい、ご苦労様っと声をかけた
「あの・・・昨日の人、今さっき出て行っちゃいましたよ?
せめてみんなが起きてからって言ったんですが起こすのも悪いからって・・・」
「え!?バッツが!?・・・ちぇっ、あいつ・・・」
そういうとファリスは走って後を追った 今なら間に合うかも知れない


「待てよバッツ!オレに挨拶もしないで行く気かよ!」
ファリスは息を切らせながらバッツに追いついた
「ああ、ファリスおはよう♪」
「ん?あ、おはよう・・・ってそうじゃなくて!もう行っちゃうのか?」
「まぁね、でもまたすぐ来るさ。ボコも置いていくし」
「あれ?そういえば・・・」
ファリスはバッツの周りを見渡す
「しばらくは子供達と家族水入らず♪ってね」
バッツは嬉しそうだった
ボコの幸せは自分の幸せでもあるかのように

バッツはそういえば天涯孤独だったと思い出す
ファリスは、自分はきっと独りでは耐えられないと彼の強さを身にしみて感じた
自分が辛いからこそ、人に優しく出来るのかも知れない・・・


「そうだ、まだ伝えてないことがあったんだ。オマエ寝ちゃったから・・・」
ファリスは赤面する
「え!?あの・・・ゴメン。部屋まで運んでくれたんだろ?」
「まぁね。久し振りにオマエの寝顔見れて嬉しかったぞ♪」
「ななっ何言ってるんだよ!ちくしょ・・・」
ファリスは拗ねて横を向いてしまった
「ははは、ムキになるなって」
バッツは声をあげて笑う
「〜〜〜〜〜それで!伝えたい事って何だよ!!」
「ん?ああ、オマエ何処まで起きてたんだっけ?オマエって話しかけるとさ
寝てるのに返事するんだぜ。コトバになってないけどな♪」
「・・・オレをそーとー怒らせたいみたいだな」
そんなファリスを見て、バッツは笑いながら話しを進める

「オマエがこれからどうするのかわからないけど、オヤジの跡を継ぐんだったらさ
オマエなりに行動すればいいんだよ。
・・・多分、オマエには親父さんにもレナにも出来ないことが出来ると思うんだ。
箱庭の外にいたオマエなら・・・もっと立派にこなせると思うぜ?
例えば・・・そうだな、荒くれ者の扱いならお手のものだし、それから・・・」
ファリスはバッツの言葉を噛み締めた
「オレにしか出来ないこと・・・自分らしく・・・」

目から鱗が落ちたようだった
父親の背中を追うばかりで、簡単なことに気付かなかった
レナならどうするだろうとか、そんなことばかり考えていた
「バッツ」
「ん?」
「オレ・・・頑張ってみるよ」
ファリスはバッツと目を合わせてハッキリと言った
「ああ、頑張れよ!」
今度は精一杯、本心からの言葉

今まで影を落としていた、彼女の表情が明るくなった気がした
これからも大変だが、自分の中に答えを見つければ頑張っていけるだろうと、バッツは思う

「えーと。それともう一つ『俺はいつまで待っていてもいい?』」
「え・・・?待つって・・・」
「決めないと永遠に、オマエの事ばかり見ていそうだから・・・。諦める基準を知りたいと思って」
ファリスの脳裏に昨夜の言葉が浮かんだ
「あのさ、ひょっとして・・・昨日の『一緒に来い』ってやつ・・・?」
ちょっと口ごもるように言う
「うーん、そのセリフはなかったことにしてくれないか?」
「え?」
バッツに愛想でも尽かされたのかと、不安そうな声をあげる

「もっとファリスが惚れるような、格好いいのを考えてくるからさ♪」
バッツはふざけるようにウインクする
「そうしたら頃合いを見て、指輪でも持って正式に申し込むことにするよ」

あれはプロポーズみたいなものだったのかと、今更になって気付く
「なっ・・・ばっばぁか!カッコつけすぎだっ!」
ファリスは顔を赤らめると照れ隠しに言葉を発した

「ははは。確かに俺らしくもないよな」
バッツは照れ笑いをしながら頭をかいた そして改めて
「基準、考えておいてくれよな」
本当はバッツ自身、彼女が即位したら諦めようとは思っていた
しかし、これから頑張ろうとしているファリスを迷わせるような事は言いたくない

ファリスは『諦める基準』なんて要らないと感じていた
自分が何に必要とされているかよりも、何が自分に必要なのかが重要だと気付いたからだ
妙に落ち込みすぎて、今まで自分らしくなかったことに反省


「それじゃ。俺、もう出発するから」
「うん、じゃあな。時々は顔出せよ?」
「何処に?」
意地悪な返答、しかしファリスには迷いがなかった
「城だよ、タイクーン城!当たり前だろ♪」
ファリスは左手で軽く小突く
「ああ、そうだったな」
バッツはクスリと笑うとファリスの頭を軽く叩いた


こんな心が軽いのは、なんて久し振りなんだろう
ファリスはそう思いつつ彼を見送った
何があってもバッツだけは味方でいてくれる・・・そんな気がして、安心する


バッツは少し思うところがあって、しばらくたってからこっそりと振り向く
いまだにこちらを見つめているファリスの瞳は穏やかで・・・
それを見て軽く微笑むと、再び前を向いて歩き出した

「もう大丈夫だな・・・あいつも・・・・・・俺も」

向かい風が吹く
まるで輝いているかのような気持ちのいい風
これから良いことがありそうな、そんな希望の風だった







◆文字書き 美沙咲ゆうら後記
レナちゃんのいないエンディングです。どうだったでしょうか?
・・・なーんて平然と言えるような文章が書きたいですっっ

こんなモノを最後まで読んでくださる神様のような方がいらっしゃるのでしょうか・・・
何言ってんだかわからないし、文は読みにくいし、突っ走ってるし・・・
わかってても自分じゃどうしていいのかわからないので更に始末が悪いです・・・ううう
>あかりん
こんなヘボい文章に素敵な絵をつけてくれてありがとう♪
その他にもいろいろとお世話になりましたっ ホントにありがとーーーー!!!(;;)
◆挿絵描き あかり☆かずと後記
文中二人座ってますが絵で立ってるのは気のせいです。
幻です。……うっうっうっ…(嗚咽)
つーか勝手に挿絵描いて挿しました。図々しさ大爆発☆(逝ってよし♪)
>ゆうゆう
俺とオマエの仲だろ?(どんな?(笑))
てーか一方的な御節介ですので、迷惑でしたら言ってね♪(爆死)



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