STAY WITH ME 〜BECAUSE I LOVE YOU〜




君の瞳に、俺はどのように映っているのだろう・・・

君にとって、俺はどういう存在なのだろう・・・

俺には・・・わからない・・・



ファリスは海岸に座って夜空の星を見つめていた。

ファリス「・・・」

バッツがファリスの名前を呼んだ。

バッツ「ファリス。」

ファリス「・・・バッツか・・・どうしたんだ?」

バッツ「いや・・・眠れなくて・・・な・・・。」

本当はファリスがいないので心配して探しに来たのだが・・・

ファリス「そっか・・・」

バッツ「・・・綺麗だな・・・」

ファリス「え?ああ、星か・・・そうだな。」

バッツ「・・・星?」

ファリス「星じゃないのか?じゃあ海か?俺も夜の海は好きだぜ・・・」

バッツ「(海・・・星・・・ちがう・・・俺が言ってるのは・・・)」

ファリス「なに黙ってるんだ?」

バッツ「え?ああ、いや!ホント、綺麗だなあ・・・」

ファリス「・・・俺も思うよ・・・星ってさあ、蒼白く光ってる方が温度が高いんだ・・・」

バッツ「へえ、よく知ってるな。」

ファリス「まあな。ずっと・・・見て育ったから・・・」

バッツ「そうか・・・」

ファリス「・・・バッツは・・・寂しくないのか?」

バッツ「え?」

ファリス「ほら・・・いや、やっぱりいいや・・・」

バッツ「・・・家族がいないのに寂しくないのかって?」

ファリス「え・・・」

なぜ・・・わかるんだろう・・・彼女の言いたいこと、考えてること・・・

バッツ「答えは・・・寂しくないっていえばウソになる・・・でも・・・今は・・・」

イマハファリスガイルカラサミシクナイ・・・言えない・・・よな・・・

ファリス「でも?今は・・・寂しくないのか?」

バッツ「そうだな。みんなもいるし・・・」

ファリス「すごいよな・・・バッツは・・・」

バッツ「なにが?」

ファリス「俺は・・・」

ファリスの蒼い瞳から涙がこぼれた。

ファリス「昔なら・・・こんなことなかったのに・・・」

ファリスは、バッツに出会うまではこんなことなかった。

バッツ「ファリス・・・」

静かにファリスの頭を撫でて言った。

バッツ「なあ・・・どうしていつも無理するんだよ・・・」

ファリス「別に・・・無理なんかしてな・・・」

バッツ「してるよ。いつもそうだ・・・今だって・・・」

ファリス「今?」

バッツ「そう・・・泣きたいなら・・・泣けばいいだろ?」

ファリス「そんなのかっこわるい・・・」

バッツ「じゃあ・・・レナとかクルルが泣いてるのをかっこわるいと思うか?」

ファリス「それは思わないよ・・・だってレナもクルルも・・・」

バッツ「普通の女の子だから?」

ファリス「!!なんで・・・わかるんだ・・・?」

バッツ「お前は・・・ちがうのか?」

ファリス「・・・ちがうよ・・・」

バッツ「どこが違うんだよ?」

ファリス「・・・俺は・・・」

バッツ「お前だってさ・・・レナたちと同じだろ・・・」

ファリス「ちがう・・・だって・・・俺は・・・」

バッツ「ちがわねえよ・・・」

ファリスを抱きしめてそう言った。

ファリス「な、なにすんだよ!離せ・・・!」

バッツ「ファリス・・・なあ、どうして?」

ファリス「どうしてって・・・い、いやだから・・・」

バッツ「ちがう。どうして俺に何も言ってくれないんだ?」

ファリス「は?言ってるじゃねえかよ・・・」

バッツ「つらいことや悲しいこと・・・全部俺に話してよ・・・」

ファリス「別に・・・そんなことねえよ・・・」

バッツ「ウソだ!」

ファリス「ホントだって・・」

バッツ「なんでいつもそう言うんだよ・・・」

ファリス「なんでって・・・ホントに・・・」

バッツ「なあ、いつもそう言うけど・・・俺は・・・少しだけでいい・・・お前のことを知りたい・・・だから、俺には話して。少しでもいいから・・・」

ファリスはバッツの優しい言葉でココロを開いた。

ファリス「バッツ・・・俺は・・・」

バッツ「ん?」

ファリス「ずっと男らしくしようとしてた・・・そして・・・いつのまにか、本当の自分がどこにいるのか・・・見失ってた・・・」

バッツ「そうか・・・つらかっただろ?」

ファリスは黙ってうなずいた。

バッツ「でも・・・もうお前にそんな思いはさせない。俺が・・・ずっとお前のそばにいて、見失わないように、守ってやるよ・・・」

ファリス「バッツ・・・?」

バッツは笑顔で言った。

バッツ「ファリス。好きだよ。」

ファリスはバッツの言葉を聞いて涙をこぼした。

バッツ「ふふ・・・また泣いてる。これがホントのお前なんだな?」

ファリス「そう・・・だな・・・バッツ、今の言葉・・・」

バッツ「んん?ああ、ホントだよ。好きだよ。」

また・・・彼女の言いたいことがわかった・・・そして、ありのままの答えを言えた。

ファリス「・・・バッツ、俺も・・・ずっと・・・バッツのこと好きだったよ・・・」

バッツ「え?そうなのか!?」

彼女の言いたいことはわかるはずなのに、そんなこと少しもわかってなかった。

ファリス「ずっと・・・一緒にいてくれるって・・・言ったよな?」

バッツ「ああ・・・一緒にいてくれるよな?」

ファリス「うん!ありがとう・・・バッツ・・・あ!流れ星!」

バッツ「ほんとだ。」

ファリス「俺とバッツがずっと一緒にいられますように・・・」

バッツ「星になんか頼まなくても大丈夫だよ。ずっとお前と一緒にいるよ・・・」

ファリス「この旅が・・・終わっても?」

バッツ「当たり前だろ。死ぬまで一緒だよ。いや、死んでも一緒だ・・・」

ファリス「ああ、約束な!」

そして静かにキスをした・・・



バッツ「あのさ、ファリス。」

ファリス「ん?」

バッツ「始めに俺が綺麗だって言ったの・・・あれ、お前のことなんだ・・・」

ファリス「ええ!?」

バッツ「だって・・・本当に綺麗だったんだ・・・」

ファリス「・・・星のことかと思ってた・・・」

バッツ「・・・星のことだよ。俺の・・・俺だけに輝いてくれる・・・綺麗で優しい星・・・」

ファリス「・・・」

バッツ「おい。なんとか言えよ。・・・お前のことだぜ?」

ファリス「ほえ?・・・あ・・・うん・・・」

バッツ「追加―!綺麗で優しくて天然ボケな星〜!」

ファリス「な!?コラ、バッツう〜!今なんて言ったあ!?」

バッツ「なんでもいいじゃねえか!な?ファリスちゃん!」

ファリス「む〜・・・わかったよ。許してやるよ!だから・・・」

バッツ「だから?」

ファリス「もう一回・・・ここでキスして・・・」

バッツ「ファリス・・・」



二人の夜はあけた・・・朝の日差しが大地を照らす・・・

君の瞳に、俺はどのように映っているのだろう・・・

君にとって、俺はどういう存在なのだろう・・・

答えは君が教えてくれた・・・

答えを失わないように・・・

君のそばにいたい・・・

ずっと・・・ずっと・・・

君のことが・・・

好きだから・・・

END



あとがき


これは・・・何者なんでしょうか・・・かなりイっちゃってるよ・・・最初と最後の謎の語りが・・・。沖田の第四作目。いかがでしょうか?なんかとんでもないっすね。シリアスは向かないってわかってるのに書いてしまいました。ダメですねえ・・・







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