I HAVE TO GO WITHOUT YOU・・・


明日はトルナ運河へ向かう・・・夜の遅くにファリスはシルドラと話していた。

ファリス「なあ、女ってことバレないようにするのって大変だな・・・」

シルドラ「(そうだね・・・)」

ファリス「それに・・・バレた時が怖い・・・」

シルドラ「(なんで?)」

ファリス「いや・・・怖いというか・・・バッツと素直に話せなくなるのが・・・怖いんだ。」

シルドラ「(話せなくなる?どうして?)」

ファリス「ん・・・あいつは、俺のこと男だと思ってる・・・男同士だから言いたいコトなんでも言えるってかんじなんだ・・・だから・・・」

シルドラ「(ファリス・・・。・・・バッツのコト好きなんだ?)」

ファリス「!な、な、なに言ってんだよ!ち・・・ちがうよ・・・」

シルドラ「(わかるんだよ・・・ファリスのコトはなんでも・・・ね。)」

ファリス「う〜・・・そっか・・・」

シルドラ「(やっぱり好きなんだね?)」

ファリス「・・・好きっていうか・・・いつも一緒にいたいって思う・・・」

シルドラ「(へ〜。そうなんだあ。あ!バッツだ!)」

ファリス「え!?ウソ!?」

バッツ「よう、ファリス。なにしてんだ?こんなとこで。」

ファリス「いや・・・シルドラと話してた。」

バッツ「そっか。」

ファリス「なんか用か?」

バッツ「ん?別に。お前がいなかったから・・・探しに来ただけ。」

ファリス「え?」

バッツ「お前がいないとさみし〜よ。」

ファリス「・・・俺が・・・男だから・・・?」

バッツ「なにいってんだ?」

ファリス「俺となら年も近いし、男同士だからなんでも話せるから・・・?」

バッツ「う〜ん・・・そうだなあ・・・それもあるな。」

ファリス「あ、そう!俺、帰るよ。おやすみ、シルドラ!」

ファリスは走っていってしまった。

バッツ「どうしたんだ?あいつ・・・」

シルドラ「(ファリス・・・)」

バッツ「俺も帰るか!じゃあな、シルドラ!!」

次の日、トルナ運河へ行く準備をしている一行。

レナ「バッツ〜。ポ−ション足りないんじゃない?」

バッツ「大丈夫だろ。白魔導師もいるし・・・なあ、ファリス。」

ファリス「そうだな・・・たぶん・・・」

バッツ「?どうしたんだよ?」

ファリス「べ・・・別に!!」

ガラフ「変なやつじゃのう。」

ファリス「・・・」

バッツ「さ。そろそろ行こうぜ。」



レナ「きゃ−!気持ちイイ〜!サイコ−!!」

バッツ「遊びにきたんじゃないんだぞ!!」

レナ「いいじゃない。船っていいわね〜!」

バッツ「ったく・・・ん?ファリス・・・」

ファリスは船べりに座って何か考えているみたいだった・・・

バッツ「ファ〜リス!なに考えてんだ?」

ファリス「うるさいなあ・・・お前にはカンケ−ないことだ!!」

レナ「キャ――!!モンスタ―よ!!」

ガラフ「船が沈むぞい!!」

ファリス「なにい〜!!」

バッツ「ファリス!船べりから降りろ!!」

ファリス「あ・・ああ・・・。・・・シルドラは!?」

シルドラ「(ファリス・・・)」

シルドラはもう渦にのまれていた・・・あと少しで完全に沈んでしまう・・・

ファリス「シルドラ!!いま助けてやるから待ってろ!!」

ファリスは渦の中へ飛び込もうとした。

バッツ「バカ!やめろ!もう無理だ!!」

ファリス「いやだ!離せ、バッツ!離せよ!」

バッツ「離さねえ!!死んじまうぞ!!」

ファリス「いやだあ!!シルドラ――!!」

シルドラは静かに渦の中へ消えていった・・・

ファリス「う・・・シルドラあ・・・」

バッツ「ファリス・・・大丈夫だよ・・・シルドラは生きてるさ・・・」

ファリス「バッツ・・・」

バッツ「・・・この船・・・流されてるな・・・」



どのくらいたったんだろう・・・気が付くとみんな倒れていた。

バッツ「レナ。大丈夫か?」

レナ「う・・・バッツ?大丈夫・・・」

バッツ「ガラフは?おい、起きろ。」

ガラフ「・・・ここは?」

バッツ「わからねえんだ・・・あとは・・・ファリス・・・」

レナ「・・・ファリス・・・かわいそう・・・シルドラが・・・」

バッツ「・・・ファリス、大丈夫か?しっかりしろ・・・」

ファリス「・・・バッツ・・・か?・・・シルドラは・・・?」

バッツ「わからない・・・」

ファリス「・・・」

レナ「これは・・・幽霊船!?」

バッツ「・・・なるほど。聞いたことあるな・・・」

ファリス「進むしかないな・・・」

レナ「そうね。」



少しずつ進んでいく・・・

バッツ「暗いな・・・よく見えねえよ・・・」

ガラフ「そうじゃのう・・・あかりがあれば・・・」

ファリス「ファイア。これでいいか?」

バッツ「お前・・・アビリティ黒魔法だったっけ・・・」

ファリス「ああ・・・」

レナ「ねえ。ここから水の中に入らなきゃダメみたいよ!」

バッツ「え・・・?ホントだ。濡れちまうな・・・」

ガラフ「行くしかないじゃろう。」

バッツ「そうだな・・・」

レナ「つめた〜い!!」

ガラフ「まだ寒い季節だしのう・・・」

バッツ「まあ我慢しろ。ファリス、行くぞ。」

ファリス「あ・・・うん・・・」



バッツ「ここなら安全だな・・・」

レナ「いっぱい濡れちゃった・・・乾かさないと風引いちゃうね。」

バッツ「ああ。ここで一泊するか。」

レナ「じゃあ私はあっちで着替えるね!のぞいちゃダメよ!」

バッツ「わかってるよ・・・」

バッツ「よし、乾かそうぜ!」

ファリス「・・・俺は・・・いいよ・・・」

バッツ「は?なに言ってんだよ。風引くぞ。」

ファリス「・・・」

バッツ「仕方ねえなあ・・・がラフ、ファリス押さえといてくれ。」

ガラフ「わかった。」

バッツ「俺が脱がしてやるよ。」

ファリス「やめろ!・・・俺に・・・さわるな!!」

バッツ「怒るなよ。風引くと困るだろ。」

バッツがファリスの服を脱がそうと手をかけた瞬間、バッツはドキッとした。

バッツ「・・・おまえ・・・」

ファリス「・・・」

バッツはもう一度確かめるようにファリスに触れた。

ファリス「やめろ!!俺にさわるな!!バッツ!やめろ!くっそ・・・はなせ!ガラフ!!」

レナ「ちょっと!どうしたの!?」

バッツ「こ・・・こいつ・・・」

ファリス「・・・」

バッツ「女だ・・・!!」

レナ「え!?」

ガラフ「ホントじゃわい・・・」

バッツ「どうして・・・隠してたんだ?」

ファリス「海賊のお頭が女なんて・・・かっこわるいだろ・・・」

バッツ「ファリス・・・」

ファリス「だから・・・俺・・・男のフリしてた・・・悪い・・・」

バッツ「なんで謝るんだ?」

ファリス「え?」

バッツ「男のフリしてたのって悪いことじゃねえだろ?」

ファリス「でも・・・みんなをだましてた・・・」

バッツ「んなことねえよ・・・俺はお前が俺らをだましてたなんて思ってない・・・」

ファリス「なんで・・・?」

バッツ「ん?俺にとってはな・・・お前が男だろうが女だろうがカンケ―ねえんだ。」

ファリス「・・・?」

バッツ「男でも女でも・・・どっちでもいいじゃねえか、ファリスはファリスだ!」

ファリス「バッツ・・・」

バッツ「な?そうだろ?」

ファリス「ありがとう・・・」

その夜、バッツはファリスを呼び出した。

ファリス「どうしたんだ?」

バッツ「俺・・・お前が女だと知って・・・少しうれしいんだ・・・」

ファリス「なにが?」

バッツ「お前が男だったら・・・同性愛に走ってたかも・・・」

ファリス「は?」

バッツ「俺な・・・お前が女なら・・・って思ったことある・・・」

ファリス「・・・」

バッツ「性格とか・・・すっげ〜気が合うし、一緒にいてすごく楽しいと思う・・・」

ファリス「・・・」

バッツ「だから・・・俺はお前のすべてが好きなんだな・・・」

ファリス「・・・」

バッツ「男だと思ってたころからすごくイイ奴だと思ってた。」

ファリス「そっか・・・」

バッツ「あ・・・あとな、これからはお前のことは俺が守るから・・・」

ファリス「え・・・?」

バッツ「ほら、海賊の子分も置いてきただろ・・・だから・・・な。」

ファリス「ああ・・・」

バッツ「ホントはそれだけじゃないけど・・・」

ファリス「?」

バッツ「好きだから・・・」

ファリス「バッツ・・・」

バッツ「ん?」

ファリス「俺も・・・お前のことが・・・好き・・・だ・・・」

バッツ「・・・マジ?」

ファリス「うん。」

バッツはファリスを抱きしめた。いろんな気持ちが押し寄せて来たが、すべてファリスの鼓動が消してくれた。そんな二人を見つめる影・・・

シルドラ「(よかったね・・・ファリス・・・)」



あとがき

一日で書きました。大好きなイベントの一つです。感動する話が書きたかったけど・・・

自分では泣きました。細かいことは気にせずにサバサバ読んでくれるとうれしいです!

感動したら泣いてください!沖田でした・・・(続編あるかも・・・)







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