竹ファリ物語


 むかしむかし、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
 おじいさんの名前はガラフのみやつことなむいいける(爆)。
ガラフ 「さて、竹を切って帰るぞい。」
 すると、竹やぶの中に一本光る竹を見つけました。
ガラフ 「なんじゃこりゃ!」
 ガラフは慎重にその竹を切ってみると、中からとてもかわいらしい女の赤ちゃんがいたのです。
 ガラフは娘ができたと大喜び。早速家に連れて帰りました。

ガラフ 「ばーさん!見てくれ、天からの授かりものじゃ!!」
レナ 「誰がばーさんじゃあああ!!」
 ばきぃっ!
 クリティカルヒット!ガラフの身体から9999という数字が飛び出した!
ガラフ 「それより聞いてくれい。今日竹やぶで素晴らしい授かりものがあったんじゃ。」
レナ 「(くッ…、このじじい、不死身か?)授かりもの?」
 ガラフは先ほどの赤ちゃんを見せました。
レナ 「まあ可愛い!」
ガラフ 「わしらの娘として育てよう。」
レナ 「わしら?あたしの恋人もとい娘として育てるのよ。」
ガラフ 「そ…そんな…。」
レナ 「あんたはこの子に“じい”って呼ばれるさだめなのよ。」
ガラフ 「うう…、ワシが拾ってきたのに…。あんまりじゃ〜。」
 この後ガラフはグレましたがレナの鉄拳で元に戻りました。


 その女の子は「ファリス」と名付けられ1年もしないうちにすくすく育ち、それはそれは美しく成長しました。
ファリス 「あ?オレに何か文句あるのかよ。」
 ……育て方に失敗したのか口は悪いのですが、その美しさはまるで天女のようでした。
 その美しさには世間を騒がせた海竜シルドラさえもメロメロになってしまうほどでした。
 そんな彼女に思いを寄せる男性が居ないはずもありません。
 毎日の様に、宮中から貴族達がファリスにプロポーズしに来ました。
 しかし当のファリスには、それを受け入れる気はさらさらなく、ほとんどの貴族は泣く泣く館へ帰っていきました。
 しかしそれでもあきらめずプロポーズを続けた男性が5人残りました。
 その5人というのがバッツ、ギルガメッシュ、海賊子分、セシル、クラウドでした。
ガラフ 「おうおう。いずれもお偉いさんばかりじゃ。きっとファリスを幸せにしてくれる事じゃろう。」
ファリス 「人事だと思って……。」
レナ 「じょーだんじゃないわよ!ファリスは永久にあたしと一緒に暮らすの!」
ファリス 「それも遠慮したいな。」
セシル 「ダッ…ダメだ―――ッ!!ローザ!僕は君を裏切る事は出来ない!!」
ファリス 「だったらこんな所に来んな!!」
クラウド 「興味ないね。」
ファリス 「てめえも興味がねえなら来るんじゃねえよ!!」
 セシルとクラウドはつまみ出されました。

 しかしまだ3人残っています。
バッツ 「姫!どうかこのバッツと!!」
ギルガメッシュ 「君の瞳は100万ボルトのうなぎに値する!」
子分 「ボ…僕は死にましぇん!!」
ファリス 「あー!分かった分かった!!じゃあこうしよう。今からオレがそれぞれに出す条件を達成したらそいつと結婚してやる。」
3人 「ホントか!?」
ファリス 「おう。」
 しかしファリスにこの3人と本当に付き合おうという気はさらさらありませんでした。
 そのため彼らに出した条件は途方もなく厳しいものでした。
ファリス 「そこの覆面男は、バハムートのラブラブポエムを持ってくること。」
ギルガメッシュ 「バ…バハムートのラブラブポエムぅ〜!?」
ファリス 「そこのちんちくりんはオーディンから斬鉄剣を習得して来い。」
子分 「ざ…斬鉄剣ッスかぁ!!?」
ファリス 「んで、お前はオメガのネジをとって来な。」
バッツ 「オッ…オメガ―――――ッ!?」
ファリス 「以上!逃げたきゃ逃げたってかまわないぜ。」
3人 「に…逃げるもんか!やったろーじゃねえか!!」


ギルガメッシュ 「おら!モタモタするな!さっさと来い、エンキドウ!」
エンキドウ 「や…やめましょ〜よ〜、ギルさ〜ん。オレら絶対殺されますって!」
ギルガメッシュ 「うるせー!それをファリスは試してんだろ!絶対バハムートのラブラブポエムを持って帰る!」
エンキドウ 「大体バハムートのラブラブポエムなんてあるわけないじゃないッスか!!」
ギルガメッシュ 「だからまず、バハムート用の筆を作って、バハムートに字を教えて、そしてラブラブポエムを書かせるんだよ。」
エンキドウ 「そんなの絶対無理じゃ―――ッ!!」
ギルガメッシュ 「やってみなくちゃ分かんねえだろ!さあ行くぞ、エンキドウ!!」
 その後この山でメガフレアと思われる大きな爆発が発生し、彼ら二人は二度と帰っては来ませんでした。


子分 「たのもーっ!」
オーディン 「ん?なんだお主は。」
子分 「お願いだ!オレに斬鉄剣を教えてくれ!!」
オーディン 「なに?」
子分 「どんな厳しい修行にも耐えてみせる!どうか教えてくれ!!」
オーディン 「………やめておけ。アレはそんな簡単に身につくものではない。」
子分 「そこをなんとか!」
 オーディンは子分の目を見ました。落書きのような子分の目の中に熱い情熱が渦巻いているのをオーディンは感じ取りました。
オーディン 「………。」
 それでもしばらくためらったオーディンでしたが、ついに諦めたように、
オーディン 「分かった…。だがどうなっても知らんぞ……。」
子分「やった―――っ!!」
 子分の弟子入りを許したのです。

子分 「さあ、早速教えてくれ!」
オーディン 「慌てるな。斬鉄剣を身に着けるにはそれなりの下地が必要だ。」
子分 「な……なるほど…。じゃ…何をすれば。」
オーディン 「うむ…。まず10年体力作りに励んでもらう。」
子分 「じゅ…10年!?」
オーディン 「そうだ。最低それぐらいはやらんと身体が持たん。」
子分 「じゅ…じゅうねん……(クラクラ)。」
オーディン 「それで基礎体力を身につけたら、続いて剣の稽古を20年。乗馬の訓練を10年。それから精神修行を15年行い、最後に斬鉄剣そのものの練習を5年と3ヶ月やって、晴れて免許皆伝だ。」
子分 「そ…、そんなアホな…。」
オーディン 「まあ…もともと人間が習得する技ではないからな…。」
子分 「オ……オレ、やっぱり帰り…」
オーディン 「ならん。どんな修行にも耐えるといったのは貴様ではないか。男が一度やると決めた以上逃げることは許さん。」
子分 「そっ…そんなァ〜〜〜〜〜!!」


 バッツはその頃ちょうどオメガと戦闘中でした。
バッツ 「や…やっぱダメだ!オメガのネジを取るなんて!!」
 もう228回目の挑戦となるバッツでしたが、オメガに触れる事すらかないませんでした。
バッツ 「くっそーっ!大和魂見せたるわあああ!!」
 なぜ大和魂?と疑問を抱く間もなく
バッツ 「んぎゃあああああああああ!!」
 オメガの波動砲、マスタードボム、ブラスター、サークルなどを次々と食らい228回目の戦闘不能に陥りました。

バッツ 「や…やっぱり…オレじゃ無理なのか…?オレじゃ…ファリスを幸せにしてやれないのか……?」
 ボロボロになったバッツ。
 途方もない挫折感にさいなまれるバッツ。悔しさと、絶望と、自分自身への腹立たしさにやりきれない気持ちになりました。
ボコ 「クエー…。」
バッツ 「ボコ…。オレはもう駄目だ…お前だけでも逃げてくれ…。」
ボコ 「クエ――――っ!!」
バッツ 「な…なんだって!自分が囮になる!?」
ボコ 「クエッ!!」
バッツ 「その間にネジを取って逃げろっていうのか…?」
ボコ 「クエクエ!!」
バッツ 「ボコ………。」
バッツ 「…………。」
ボコ 「…………。」
バッツ 「できない。オレにはできねえ!」
ボコ 「クエっ!?」
バッツ 「お前を犠牲にしてオレがのうのうとネジを取って帰るなんて真似はできん!それに、そんな方法でネジを取って帰ったら、ファリスは絶対オレを軽蔑する!!」
ボコ 「クエ〜〜〜っ…。」
バッツ 「ありがとう、ボコ。その気持ちだけで充分だ。オレは絶対自力でやってみせるぞ!!」
 そう言って、バッツは229回目の突撃をかけるのでした。


 さて、その頃のファリス姫。
 彼女はただ月を眺めていました。
ガラフ 「はよ食わんと冷めるぞい?」
ファリス 「オレは帰る。」
レナ 「へ?」
ガラフ 「帰る…って、ここがお前の家じゃぞい?」
ファリス 「オレはこの星の人間じゃない。月に帰らなきゃいけない。」
レナ 「じゃあ、あたしも連れてって。」
ガラフ 「レナよ…。そんなセリフ台本にないぞ。」
ファリス 「今日迎えがくる。」
 その話を聞いた帝が大至急ガラフ宅に駆け付けました。
エクスデス 「姫!月に帰るだと!?」
ファリス 「お前が帝なんか(爆)!!」
エクスデス 「小賢しい…。そうはさせんぞ。月の使者などぶち殺してくれる。」
ハリカルナッソス 「エクスデス様。守備は万全です。曲者が入り次第一斉に全軍邀撃できますわ。」
エクスデス 「うむ。10万の大軍だ、月軍など恐るるに足らず。」
ファリス 「え…えらい事になってきたな。」

 月の使者は本来ファリスを迎えにくるだけのはずでしたが、エクスデスが軍勢を用意して待ち構えているため、予定変更して100万の軍勢で攻めこんで来ました。
エクスデス 「なにぃ―――っ!?100万だと!?」
月の使者 「地球人に告ぐ!我々はこの星の侵略には興味はない。おとなしくファリスを差し出せば速やかに軍を帰そう!」
エクスデス 「くっ。仕方ない。」
ガラフ 「少しも抵抗せんのかい!役に立たんやつじゃのう。」
レナ 「やだ――っ!やだ――っ!ファリス行っちゃやだ――っ!!」
 月の使者が促すと牛車が目の前に舞い降りてきました。
 そしてファリスが牛車に乗ろうとしたその瞬間、
「ちょっと待った―――っ!!」
ガラフ 「おおっとぉ!ちょっと待ったコールだぁ!!」
エクスデス 「ガラフ…。古い…。」
 そこにボコに乗ったバッツが駆け付けました。
バッツ 「ファリス…。約束通り持って来たぜ…。」
ボコ 「クエッ!!」
バッツ 「どうやらオメガは何発も連続で波動砲をぶっ放したもんだから、一時的にエネルギー補給のため緊急停止したらしい。」
ガラフ 「こ…根性じゃのう……。」
ファリス 「まさか本当に持ってくるとは…。」
バッツ 「オレは約束を果たしたぞ!お前を月になんか帰さないぜ!!」
 バッツの毅然とした態度にファリスの心は大きく揺さぶられたのでした。
月の使者 「邪魔をするなら貴様から始末してやるぞ…。」
バッツ 「やれるもんならやってみろ!オレは一人でも戦うぞ!!」
レナ 「ああ、もうぜんぜん物語の原型がない。」
月の使者 「ふっ。ならば望み通り血祭りにあげてやるわ!!」
ファリス 「待ってくれ!!」
月の使者 「姫…!?」
ファリス 「オレは…オレはやっぱりここに残る!」
月の使者 「!?」
バッツ 「ほ…本当か!?ファリス!」
月の使者 「正気ですか?月に帰れば永遠の生が約束されるというのに。」
ファリス 「ああ。」
月の使者 「この世界では100年も生きる事はできないのですぞ。」
ファリス 「分かってるよ。」
月の使者 「それほどまでに…。」
ファリス 「オレはわざと出来もしないような事を言ったのに…。バッツは本当にやっちまうんだもんな…。」
月の使者「………。」
 ファリスの決意が変わる事はないと感じた月の使者はとうとう折れました。
月の使者 「………。仕方ありません。我々も無理強いをする気はない。それが姫の選んだ生き方だというのならそれも良いでしょう。」
レナ 「ホント!?わーいわーい!!」


 こうして月の使者は帰っていきました。
バッツ 「良かったのか、本当に…。」
ファリス 「いいさ。」
バッツ 「後悔…してないか?」
ファリス 「なんだよ。お前、自信ないのか?」
バッツ 「ぶるぶるぶる(首を横に振る音)。絶対、幸せにしてみせるよ!!」
ガラフ 「お熱いのう…。」
レナ 「ふーん!私は認めないんだからねーっ(泣)!!」
 こうしてファリス姫は、バッツ達と末永く幸せに暮らしました。


 その頃。
オーディン 「ホラ!グズグズするな!次は向こうの山まで大岩を担いでいくんだ!!」
子分 「ひ〜〜っ!!姫ェエエ!!あと60年と2カ月と18日待っててくださいね〜〜〜〜〜っ!!!」



たわ言
 純愛モノを書きたかったのに…、結局ギャグですわ(T□T)。

やっぱり今回もギルとエンキドウのコンビがナイスです(笑)
FF5竹取物語バージョン…じゃ、じゃあ次はFF5とり…ガフッ!(強制終了!!)

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