レプリカル


それは一つの事件から始まった。

ファリス「バッツ!大変だ!」

ファリスが戸を勢いよく開けて入ってきた。が、バッツはまるで気が付いていない。

バッツ「やっぱり紅茶はミルクティーにかぎるな。それは本物だけに許された味…なんてねー、ははははー」
ファリス「………(汗)」
バッツ「あ、ファリス……」
ファリス「……見てなかったことにしてやるよ。」
バッツ「……ありがと。」

ファリス「そうだ!こんなこと言ってる場合じゃないぞ!」
バッツ「どうしたんだ?」
ファリス「町じゅうでお前が指名手配になってるんだ!」
バッツ「何ぃぃぃぃぃぃ!!!」
ファリス「お前一体何を……」
警官A「いたぞ!こっちだ!」
バッツ「と、とにかく逃げよう!見つかるとまずい!」
ファリス「裏口から逃げるぞ!」
バッツ「レナとガラフは?」
ファリス「大丈夫!死にゃしないさ!…たぶん。」

警官隊はバッツ達のアジト(?)に入り込んできた。

警官隊総長「いたか!?」
警官A「いえ!いません!」
レナ「きゃー!なによこいつら!勝手に人の家入ってこないでよ!」
ガラフ「な、何じゃ!?」
警官B「こいつらは!?」
警官隊総長「きっと仲間だ!捕らえておけ!」
警官B「はっ!」
レナ「仲間って何よ!私たちがなんか悪いことでもしたわけ!?」
ガラフ「訴えるぞい!」
警官B「つべこべいうな!こい!」

バッツ「……大丈夫……だよな。」
ファリス「たぶんな……。」

こうしてレナとガラフは警官につかまってしまいました。
さて、レナとガラフを犠牲にして逃げた二人は……

バッツ「はぁ、はぁ…」
ファリス「…疲れた…」
バッツ「しかしなんで俺が追われなきゃいけないんだよ…」
ファリス「…あれ……」

お尋ね者 バッツ

捕まえたものには賞金200000ギルを与える。 街角宝石店:レプリカル

バッツ「なるほど……」
ファリス「で、一体お前何をしたんだ?」
バッツ「は?まさかお前俺を疑ってるのか?あれは何かの間違いだろ。」
ファリス「……(疑いの目)」
バッツ「信じてくれよ〜!」
ファリス「わかった。今はお前を信じよう。とりあえずここにいるといずれ見つかってしまう。
     どこか隠れるところを探さないと……」
バッツ「隠れるったって……下手に物陰に隠れてたりしたら怪しいしな……」
ファリス「変装してどこかの喫茶店にでも入ってるか?」
バッツ「…そうするか。」

バッツ(だけどなんで俺が指名手配に……?レプリカルっていうと、
    おととい行った宝石店か……。なんか俺悪いことしたかな?)

その理由は2日前の出来事にあった。


バッツ「あの……すいません。」
店員「はい。」
バッツ「…こ……これください!」

バッツは白銀(っぽい色)のネックレスを指差して俯きながら言う。

店員「彼女にプレゼントですか?」
バッツ「か、彼女!?い、いや、あの……その……」
店員「では普通包装でよろしいですか?」
バッツ「あっ…え、いや…プレゼント用の包みでお願いします。」
店員「(くすっ)かしこまりました。」

店員「15000ギルになります。」
バッツ「え?あ、はい。1500ギルですか?」
店員「いえ、15000ギルですが……」
バッツ「あ。す、すいません。」

バッツは混乱しながら店員にお金を渡した。

店員「ありがとうございましたー。がんばってくださいね。」
バッツ「え?あ、どうも……」

俺ってそんなにわかりやすい性格なんだろうか?はぁ…。
まあ何はともあれ買えてよかった。あとはこれを渡せれば……

?「今ネックレスを買ったものだが。」
(さっきと違う)店員「はい。」
?「なんだこれは!こわれているじゃないか!この店はこんな不良品をわたすのか!」
店員「失礼ですが、いつごろお買い上げになられましたか?」
?「今買ったっていってるだろ!とにかくこれを新品と取り替えろ!」
店員「申し訳ありませんが、そのような不確定な理由でのお取替えはちょっと……」
?「お前じゃ話にならん!店長を呼べ!」

店長「なにか不都合でも?」
?「不都合もクソもあるか!俺はこれが不良品だから取り替えろといってるんだ!」
店長「そのような曖昧な理由で商品をお取替えすることはできません。」
?「…ああ、そうかい……。じゃあここにあるものただにもらってくぜ!」

そういうとその男は店中を荒らしまくった。
そしてショーウィンドウのなかの宝石や指輪を根こそぎ奪っていった。

店長「なっ。おい!誰か!警察を呼べ!」
?「覚えておけ!俺の名はバッツ!世界の英雄だ!」
店長「くそっ!……バッツとやら………元刑事のこの私を怒らせたことを、とくと後悔させてやる!」

バッツ「ん?なんか騒がしいな?なにかあったのか?ま、いいか……」


かくしてバッツは指名手配となってしまった。しかも、実際の犯人は覆面をしていてわからなかったので、
「バッツ」と言う名前と、「今ネックレスを買ったもの」で、結局バッツが犯人扱いされてしまったのである。
顔写真も、当然バッツのものである。

とにかく二人は追っ手から逃れようと町外れの喫茶店に入った。

バッツ「…とりあえず何か頼もうか。」
ファリス「当然バッツのおごりだろ?」
バッツ「…しょうがない。いいよ、なんでも好きなものとりなよ。」
ファリス「えーと、じゃあ……これなんかどう?『ダブルスソーダ』とか。」
バッツ「その『ダブルス』ってのはなんだ?」
ファリス「…二人分ってことじゃないの?ほら、あのストローが二つあるやつ……」
バッツ「えっ?え、え、そっ、それをとるのか!?」
ファリス「はは…冗談だよ!えーと、じゃあオレンジジュースでも……」
バッツ(なんだ、冗談か。ちぇっ)
ファリス「ん?なにかいったか?」
バッツ「あ…いや別に……」
ファリス(くすっ。かわいい奴。)

…それは普通はバッツ君の台詞だと思いますが……。

従業員「ご注文はお決まりですか?」
ファリス「オレンジジュース一つと……おい、お前は何にするんだよ。」
バッツ「え?じゃあ俺もオレンジで……」
ファリス「すいません。じゃあオレンジジュース二つで。」
従業員「かしこまりました。」

ふと外を見ると、警官が道を歩いている人にいろいろと聞いているのが見えた。
ファリスはこそっとバッツに話し掛けた。

ファリス「おい!どうする?そこまでもう警官隊が来てるぞ!」
バッツ「大丈夫。この完璧な変装なら絶対にバレないさ。」
ファリス「完璧……ね。」

バッツはサングラスをかけて穴のあいた帽子をかぶって洋服もさっきとは変えていた。
ファリスは髪を束ねていかにもお嬢様っぽい感じの服を着ていた。
まあ、結構二人とも別人のように見えたので、バッツの考えた変装もまんざらではなかった。

従業員「おまちどうさまでした。」
ファリス「あ、どうも。」

店はすいていたので、順番待ちで追い出される心配はなかったが、
見つかる可能性が高いと言う点では、結構心もとなかった。

しかし、二人ともそんなことは全っ然考えていなかった。

ファリス(バッツ……やっぱり忘れてるのかな……)
バッツ(いつ渡そう……やっぱり、今がいいかな?いや…ここではまずいか……
    うーん……でも今を逃すと渡せないかも……)
ファリス「暗くなってきたな……」
バッツ「え、ああ……」
ファリス「どこか寝るとこを探さないと………」
バッツ「!!!!!!!!!!(赤面)」
ファリス「ん?どうした、バッツ。真っ赤だぞ。」
バッツ「い…いや…別になんでも……」
ファリス(?……!はー…なるほど。そういうことね。ふふっ。ほんとかわいい奴だな。)

確かにもう外はすっかり暗くなっていた。空は黒く澄みわたり、
夜の山に月光が美しく流れている。

バッツ(ムードとしては最高なんだけどなぁ。条件が悪すぎる。)
ファリス「…そろそろ出ようか。」
バッツ「…そうだな……」

従業員「860ギルになります。」
バッツ「はい。」

従業員「ありがとうございましたー。」

二人は喫茶店を後にした。大体3時間位いただろうか。
二人は変装はしているものの、一応警官に気をつけながら歩いていった。

バッツ「家は……たぶん警官がいるだろうな……」
ファリス「ああ……」
バッツ「……ファリス……」
ファリス「…………?」

バッツ「…誕生日…おめでとう。」
ファリス「…!バッツ……覚えててくれたのか……!」
バッツ「こんなときになんだけど……これを…うけとってくれ……っ」

ファリスはバッツから受け取った包みを開けた。
中には白銀のネックレスが光っていた。

バッツ「つまらないものだけど…きっとファリスになら似合うんじゃないかと思って……」
ファリス「……バッツ………」

ファリスの瞳から一滴の涙が流れ落ちた。

『ありがとう・・・


レナ「ちょっ、ちょっとまってよ!まさかアンタこれでハッピーエンドにする気じゃないでしょうね!
   私たちまだ牢屋の中よ!それにあんたたちの疑いだってまだ晴れてないじゃない!」
バッツ「うるっさいなー。今せっかくいいムードだったのに……少しだまってろ!」
レナ「(ぶちっ)ねーねー!ちょっと、そこの人!あの指名手配犯のいるところがわかったわよー!」
警官「なにっ!?どこだ!?」
レナ「えーっと……あー、わかったーっ。○○喫茶店前の広場から少し離れた道路の角の裏側の……」
警官「よし!こちら牢屋監視部!宝石店襲撃の犯人を発見!ただちに捕獲にむかってくれ!」
警官隊本部「了解!」
バッツ「あーーーっ!レナ!お前仲間を売ったなー!」
レナ「なーんのことかしら。まっ、がんばって逃げてちょーだい!ついでに私の容疑も晴らしといてねー!」
バッツ「ファリス!逃げるぞ!」
ファリス「…お前どうやってレナと話ししてるんだ?」
バッツ「…レナの妖力だ……」
警官隊総長「いたぞーっ!こっちだ!」
バッツ「やべっ!もうきた!さっ、早く!」
ファリス「あ、ああ。」
警官隊総長「逃げるぞ!追えーっ!」
ファリス(…本当にありがとう……バッツ……)

四人の容疑は一週間後には無事晴れ、宝石店からはたっぷりとお詫びの品をもらったのでした。
宝石事件はこれにてお終い。だけどまだまだ四人の旅はつづきます・・・・・。


☆あとがき☆

最後まで読んでくれた方!本っっ当ーーーーにありがとうございます!
こんな世界最大級の駄文を読んでくださるとは………(涙)
とにかく恋愛ものは苦手です!あーーーーー、早く馴れよう。

バッツが純情青年ぽくってかわいいです〜
こういうファリバっぽいバツファリも好きですvv
駄文だなんて、そんなことないですよ!もっと書いて下さいな(にやそ)

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